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議会報告

議会質問

【2016年12月定例会】 2016年12月13日

福岡前原道路の重要性とETC増設に係る県の支援・指導についての質問

質問福岡前原道路の重要性について

答弁(知事) この福岡前原道路は、福岡都市圏における交通渋滞緩和、産業及び経済の発展ばかりでなく、九州の広域交通ネットワークの一翼を担い、九州北西部の地域経済の活性化や高速定時制の確保に大きく寄与する、重要な路線であると認識している。  そこで県道路公社に対し、交通状況を把握し、ETC増設に伴う採算への影響などについて検討するよう指導した。  県道路公社からは、今年度の料金収入は対前年度比で約4%の増となっており、今後の料金収入も西九州自動車道の延伸などに伴い増加が見込まれることから、将来の政務の償還に大きな影響を与えない。  このため、福岡西及び前原料金所に、ETCレーンをそれぞれ2基、合わせて4基増設することとし、来年度に設計・工事・発注を行い、平成30年度の供用開始を目指すことを決定した旨、報告を受けた。  県としても、引き続き、県道路公社に対し、一日も早いETCレーンの増設が進むよう指導していく。

会議録全文

大田満 大田 満

福岡前原道路について質問いたします。
私の地元福岡市早良区、そこから西に位置いたします糸島市、自然や歴史に恵まれ、おいしい農産物、海産物を堪能できるなど、私は魅力あふれるこの町へ、よく足を運びたくなります。そしてその折に利用するのが福岡前原道路であります。今補助席に座る浦伊三夫議員からは、糸島市が関係するこの質問をしっかりやれと激励を受けております。浦議員の熱い思いも込めて質問してまいります。
さて、福岡都市圏は九州や西日本の中核として広域的に及んで行政、経済、学術、文化、情報などの高次元の都市機能が集積するとともに、福岡空港や博多港など国際空港、国際港湾といった交流基盤を有し、アジアとの交流拠点として重要な役割を担っております。九州はもとより国内においても大変重要度の高い圏域であり、観光、リゾートルート分野においても大いに期待されております。この福岡都市圏の中核である福岡市をほぼ環状型に一周する福岡都市高速道路は、九州の大動脈である九州縦貫自動車道にも福岡インター及び太宰府インターに接続し、また西に向かっては西九州自動車道の一部である福岡前原道路とつながって、放射状にネットワークを形成しております。そういう点では、福岡都市高速の役割が福岡都市圏域における生活環境の向上、地域発展等への波及的効果に大きく貢献していると言えるわけですが、近年の交通事情を鑑みますと、より一層のネットワークの充実を図り、同時にその効果を存分に発揮していくことが必要であると思います。
今申したネットワークの一つである西九州自動車道は、福岡市を起点に糸島市、佐賀県の唐津市、伊万里市、長崎県の松浦市、平戸市、佐世保市を経由し、佐賀県の武雄市に至る計画延長約百五十キロメートルの路線であり、西九州自動車道の一部区間を担うのが、この福岡前原道路であります。福岡前原道路は、県道路公社によって管理運営される高規格幹線道路として昭和六十三年十二月から整備が開始され、平成十七年三月の全線開通により福岡市西区拾六町から糸島市東までを結ぶ全長十四・二キロの自動車専用道路であります。交通量を見ますと、特に平成二十四年度以降は、福岡都市高速五号線との接続、また福岡都市高速の環状化、加えて二丈浜玉道路の無料化などの要因によって交通量は右肩上がりで増加しております。平成二十六年三月には福岡西料金所と前原料金所の上下線それぞれにETCレーンが設置されまして、それによって、それまで料金所での交通混雑が目立っておりましたが、その混雑は多少なりとも緩和されてきた感があります。しかしながら、これまで以上に福岡前原道路の重要性が高まってきていることや、佐賀県域で西九州自動車道の延伸区間がこれから順次供用されることからすると、今後も交通量が伸びることが容易に想定されます。
さきに述べましたように、福岡都市高速は九州縦貫自動車道路の福岡インターと太宰府インターに接続しているわけですが、いずれも複数のETCレーンが設置されております。一方で福岡前原道路においては、福岡西料金所と前原料金所のETCレーンが、現状、上下線それぞれ単独の一基のみとなっております。福岡前原道路を運営管理する県道路公社は、これまで地域の地方的な幹線道路の整備を促進して交通の円滑化を図り、住民の福祉の増進と産業経済の発展に寄与するという目的、その達成に努めてこられたと思います。今後の交通の円滑化を図る上で、ここはETCの増設を利用者のため、県民のために、今こそその決断が迫られているのではないでしょうか。
そこで知事にお尋ねいたします。まずは、福岡前原道路の重要性について知事の認識をお伺いしたいと思います。
次に、我が会派の六月議会の代表質問において福岡前原道路のETC増設について触れましたが、そこでは福岡前原道路の交通量の増加に伴い発生する料金所での渋滞、それがなくなり、利用者がストレスなく利用することができれば、通勤時間や休日での利用者への高速性と定時性のさらなるサービス確保ができる。その効果として、福岡県のみならず九州北西部の唐津や佐世保方面の拠点とのネットワークの強化が図られる、同時に人、物の地域間交流が進み沿線全体の活性化につながる、そういう観点から質問がされたものです。それに対し知事は、一番目に、県道路公社では福岡西料金所と前原料金所の本線上の四基のETCレーンについて、平成二十六年九月、実態調査を実施した。その結果は、平日の朝のピーク時や休日のピーク時には一時的に交通の流れが悪い状況が発生しているものの、それ以外の時間帯においては円滑な交通が確保されている。続いて、ETC全部で四基増設すると約七億円の追加投資が必要であり、採算に与える影響にも配慮する必要がある。また、福岡西料金所の上り線において福岡都市高速と料金の一体徴収を行っているため、福岡北九州高速道路公社と調整も必要である。これらのことから、県道路公社からは今後の交通状況を注視した上で検討を進めていきたいと聞いているので、県としては、この道路公社がしっかり交通状況を把握し、分析をしていくよう指導する、そのように答弁されました。
これらの点を踏まえ、知事にお尋ねします。六月議会から半年の時間が経過しております。既に県は公社に対し、適切な指導をされているはずですが、どのような指導をされてきたのでしょうか。そこで検討された結果はどのようなものであったのでしょうか。また、県道路公社からの報告を受けて、今後県はどのような対応を考えているのでしょうか。以上、お尋ねします。
知事には、この事案の重要性をしっかりとお考えいただきまして御答弁いただきますようお願いし、私の一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。

答弁者 知事(小川 洋)

まず初めに、福岡前原道路の重要性でございます。福岡前原道路は、本県と佐賀県、長崎県の玄界灘沿岸を結んでおります西九州自動車道の一部に位置づけられておりまして、福岡都市高速道路と直結をする十四・二キロの自動車専用道路でございます。この福岡前原道路は、福岡都市圏における交通渋滞の緩和、産業及び経済の発展ばかりではなく、九州の広域交通ネットワークの一翼を担い、九州北西部の地域経済の活性化や高速定時性の確保に大きく寄与をする重要な路線である、このように認識いたしております。
ETC増設にかかわる県の支援、指導についてお尋ねがございました。議員が御指摘になりましたが、六月議会の終了後、県道路公社に対しまして、交通状況を把握をし、増設に伴う採算への影響などについて検討するよう指導を行いました。この指導を受け、検討してきた県道路公社からは、現在のETCの処理能力を超える交通量、トラブルによる一時的な渋滞が発生をしていること、今年度の料金収入は対前年度比で約四%の増加となっており、今後の料金収入も西九州自動車道の延伸などに伴いその増加が見込まれますことから、将来の債務の償還に大きな影響を与えないこと、また福岡西料金所で料金一体徴収を行っております福岡北九州高速道路公社との調整も整ったこと、これらのことから福岡西及び前原の両料金所にETCレーンをそれぞれ上下線に一基ずつ、合わせて四基増設することとし、来年度に設計、工事発注を行い、平成三十年度からの供用開始を目指していくことを決定した旨、報告を受けているところであります。県といたしましても、引き続き県道路公社に対し、一日も早くETCレーンの増設が進むよう指導を続けてまいります。